研究講座とイベント

  • 2019/11/06
  • コラム
  •  

 

栗田会長から「参考文献と情報検索」について

一覧を見る RSSフィードの購読はこちら

 

会長・栗田誠からの「独占禁止法・競争政策に関する参考文献と情報検索」
(ロースクールの学生向け配布資料より)

【はじめに】
○「経済憲法」と呼ばれることもある独占禁止法ですが,平成に入ってから違反に対する措置や手続を中心に頻繁に改正されていますので,最新の文献を参照することが必要です。
・平成25年12月に行われた独占禁止法改正(平成27年4月施行)により,公正取引委員会における違反事件処理手続が大きく変更され,審判手続は廃止されました(ただし,経過措置により,当分の間,2つの手続が併存します。)。
・TPP協定(環太平洋ハートナーシップに関する包括的かつ先進的な協定)の締結に伴うTPP整備法により独占禁止法が改正され,「確約手続」が導入されました(平成30年12月30日に施行され,その適用第1号事件が令和元年10月25日に出ました)。
・令和元年改正により,課徴金制度及び課徴金減免制度が大幅に改正されており,令和2年秋には施行される予定です。今後,改正内容の解説やその内容を取り入れた概説書等が相次いで刊行されることが見込まれます。
○以下では,文献と情報入手先を簡単な解説付きで紹介しますが(2019年10月末時点),独占禁止法を深く学ぶ上で特にお薦めの文献をゴシックにしました。なお,一部,雑誌連載の論文を含んでいます。

1 参考文献
【啓蒙的入門書】
○最初に,新書を中心とした啓蒙的入門書を挙げておきます。
・[1]は,独占禁止法・公正取引委員会の歴史を含め,現状と課題を理解する上で有用であり,かつ,最新です。
・[2]は,独占禁止法をコンパクトに解説したロングセラーです。
・[3][4]は,企業法務全般に関する読みやすい啓蒙書であり,独占禁止法に関する章があります。
 [1]村上政博『独占禁止法 新版―国際標準の競争法へ』(岩波新書・2017年)
 [2]厚谷襄児『独占禁止法入門〔第7版〕』(日本経済新聞社・日経文庫・2012年)
 [3]畑中鐡丸『鐡丸先生の こんな法務じゃ会社がつぶれる』(第一法規・2010年);同『鐵丸先生の生兵法務は大怪我のもと!』(第一法規・2012年)
 [4] 西村あさひ法律事務所編『ビジネスパーソンのための企業法務の教科書』(文春新書・2012年),同『会社を危機から守る25の鉄則』(文春新書・2014年)
○公正取引委員会の現職委員長がデジタル経済における競争政策・独占禁止法を説く書籍が刊行されました。今話題のGAFAに代表されるデジタル・プラットフォーマーを巡る問題を考える上で必読です。
[5]杉本和行『デジタル時代の競争政策』(日本経済新聞出版社・2019年)

【入門的概説書】
○次の3冊のうちのどれかをまず読むことが適切であろうと思います。全くの初学者には [5]が最適かもしれません。
・[6]は,「これまでに書かれた独禁法の教科書の中で最も基礎的な入門書」であるとされていますが,なぜ一定の行為が禁止されるべきかについての経済的な説明を重視した,水準の高い(構成もユニークな)独占禁止法の入門書です。
・[7]は,独占禁止法の条文に沿って,事例の紹介を含めて概観するテキストです。条文を出発点とする点で,法科大学院の学生には向いているかもしれません。
・[8]は,独占禁止法の基本的な考え方が理解しやすいコンパクトな好著です。実体規定全体を鳥瞰する記述(「違反要件総論」)が充実しています。
 [6]川濵昇ほか『ベーシック経済法-独占禁止法入門[第4版]』(有斐閣アルマ・2014年)
 [7]土田和博・栗田誠・武田邦宣・東條吉純『条文から学ぶ独占禁止法[第2版]』(有斐閣・2019年)
 [8]白石忠志『独禁法講義〔第8版〕』(有斐閣・2018年)
○次の2冊も優れた概説書ですが,[6]~[8]に比べてやや大部です。[9]は,コンパクトながら,標準的な構成であり,また,規制,知的財産,国際取引との関係についても詳細です。また,[10]は,学部生向けとされていますが,内容的には高度で,練習問題が付されていることも特徴です。
[9]岸井大太郎ほか『経済法-独占禁止法と競争政策[第8版補訂]』(有斐閣アルマ・2019年)
  [10]泉水文雄・土佐和生・宮井雅明・林秀弥『リーガルクエスト 経済法[第2版]』(有斐閣・2015年)
○法学教室の連載を基にした次の単著は,「入門」と銘打ってはいるものの,判例・審決だけでなく,公正取引委員会の公表事例や各種ガイドラインにも言及し,先端的な課題も盛り込んだ内容になっています。元々,法科大学院における授業を基礎としており,内容は高度です。
 [11]泉水文雄『経済法入門』(有斐閣・2018年)
○研究者による最近の入門書として,ほかに次があります。
 [12]宮井雅明編著『経済法への誘い』(八千代出版・2016年)
 [13]鈴木加人ほか共著『TXT経済法』(法律文化社・2016年)
○実務家が執筆した入門書として,最近,次が刊行されました。[14]は,公正取引委員会職員が公正取引委員会の運用実務を解説した入門書であり,[24]の基礎編ともいえます。[15]も,公正取引委員会職員(元弁護士)による実務家向けの入門書です。
 [14]菅久修一編著『はじめて学ぶ独占禁止法[第2版]』(商事法務・2019年)
 [15]酒井紀子『独占禁止法入門 基礎知識の修得から実務での活用まで』(民事法研究会・2016年)

【判例集】
○独占禁止法違反事件の排除措置命令・審決・判決については,[16]が最新であり,必携です。関係事件の概要をつかんでください。なお,最新事例については,『重要判例解説』等で補ってください。
 [16]金井貴嗣・泉水文雄・武田邦宣編『経済法判例・審決百選[第2版]』(有斐閣・2017年)
*もちろん,排除措置命令・審決・判例のオリジナルを読んでみることも重要です。公正取引委員会のサイト(後掲)で随時,新しい排除措置命令等が公表されるほか,毎年度『公正取引委員会審決集』(後掲)が編纂されています。
○ジュリスト増刊の「実務に効く」が出ています。判決や公正取引委員会の排除措置命令・審決だけでなく,警告事案や相談事例等を含めて,独占禁止法上の違反行為類型とは異なる分類により,実務的な解説を加えており,実務家には必須のものと思われます。法科大学院学生向けとは必ずしも言えませんが,応用的な学習や将来の実務を見据えた学習をしたい受講者に薦めます。
 [17]泉水文雄・長澤哲也編『実務に効く公正取引審決判例精選』(有斐閣・2014年)

【体系書】
○法科大学院の教科書的な体系書として,次のものが挙げられます。
・[18]は,「司法試験選択科目『経済法』のスタンダード・テキスト」と銘打った体系書です。なお,姉妹編として演習書[43]も参照。
・[19]は,最も詳しい独占禁止法の最新の体系書です。細部にまでこだわり,運用面も詳しく,コンメンタール的な要素もある実務に使える大著(本文755頁)です。
・経済法の中心をなす独占禁止法の体系書としては,[20]が標準的です。共著者(日本経済法学会の理事長経験者)の考え方ではなく,現在の通説とされる見解や判例を丹念に紹介した労作です。
・[21]は,実体法について米国反トラスト法を,手続法についてEU法をモデルとし,ケースブック的な要素を取り入れて,判決及び審判審決を中心に解説した最新版です。
 [18]金井貴嗣・川濵昇・泉水文雄編著『独占禁止法[第6版]』(弘文堂・2018年)
 [19]白石忠志『独占禁止法〔第3版〕』(有斐閣・2016年)
 [20]根岸哲・舟田正之『独占禁止法概説[第5版]』(有斐閣・2015年)
 [21]村上政博『独占禁止法[第8版]』(弘文堂・2017年)

【その他の概説書】
○独占禁止法の概説書として,上記以外に次のようなものがあります。
・[23]は,公正取引委員会勤務経験のある大学教員の共著であり,事例の紹介に重点を置いた解説書です。
・[24]は,「現在の公正取引委員会と裁判所での独占禁止法の実際の運用と考え方」に絞って,公正取引委員会の職員(元職員を含む。)が解説しており,実務家から有用と評価されています。
・[25]は,具体的な事例やガイドライン等を詳細に解説することにより,テキストと判例百選を合体させたような最新の概説書です。
・[26]は,公正取引委員会委員を経験した元検察官が法曹向けに執筆した標準的な概説書であり,実務的かつ最新です(流通・取引慣行ガイドラインの改正を織り込んでいます)。
 [22]久保成史・田中裕明『独占禁止法講義〔第3版〕』(中央経済社・2014年)
[23]波光巌・栗田誠編『解説独占禁止法』(青林書院・2015年)
 [24]菅久修一編著『独占禁止法〔第3版〕』(商事法務・2018年)
 [25]鈴木孝之・河谷清文『事例で学ぶ独占禁止法』(有斐閣・2017年)
 [26]幕田英雄『公取委実務から考える独占禁止法』(商事法務・2017年)

【エンフォースメント】
○独占禁止法は,エンフォースメント(法実現の仕組み)において先進的な面を持っています。
・[27]は,独占禁止法の手続・エンフォースメント全般について,民事救済,刑事制裁を含めて幅広く扱った画期的なものであり,詳しく学ぶには有益ですが,古くなりました。
・[28]は,弁護士の立場から,平成17年改正後の手続に関する実務上の課題に重点を置いて詳細に解説したものであり,実務には不可欠ですが,早期の改訂が待たれます。
・[29]は,平成25年改正後の審査・意見聴取手続・抗告訴訟をはじめとする独占禁止法の手続を実務家向けに詳細に解説したものです。
・[30]は,公正取引委員会の審査実務に批判的な実務家がその実態や改善策を詳細に解説した実務書です。
 [27]丹宗暁信・岸井大太郎編『独占禁止手続法』(有斐閣・2002年)
 [28]白石忠志監修・西村ときわ法律事務所/長島・大野・常松法律事務所編『独占禁止法の争訟実務―違反被疑事件への対応』(商事法務・2006年)
 [29]村上政博・栗田誠・矢吹公敏・向宣明編『独占禁止法の手続と実務』(中央経済社・2015年)
 [30]榊原美紀ほか『詳説 独占禁止法審査手続』(弘文堂・2016年)
 [31]森・濱田松本法律事務所編『独禁法訴訟』(中央経済社・2017年)
[32]向宣明・中野雄介・宇都宮秀樹編集代表『独占禁止法と損害賠償・差止請求』(中央経済社・2018年)
・なお,個別には挙げませんが,独占禁止法の改正の度に,公正取引委員会の立案担当者による解説が商事法務から刊行されており,改正の背景や経緯,改正内容,立案担当者の解釈を知る上で有用です。

【研究的実務書】
○実務家が執筆している解説書で,理論的にも有用なものを挙げてみます。
・[33]は,公正取引委員会の審判官(執筆時。元弁護士)が審判における主張・立証について,不当な取引制限と私的独占を中心に詳細に論じた実務的研究書です。
・[34]は,カルテル規制に限定して,平成21年改正を含めて実体面と手続面を詳細に解説した実務書です。同じ著者(元公正取引委員会事務総長)による[35]は企業結合,[36]は渉外的要素を有する独占禁止法事案,[37]は私的独占に関する詳細な実務書です。
・[38]は,検察官出身の元公正取引委員会委員による独占禁止法の分析であり,刑事的執行の記述が詳細です。
・[39][42]は,公正取引委員会の担当者による企業結合ガイドラインと流通・取引慣行ガイドラインの解説書です。
・[40]は,公正取引委員会職員が企業法務・法曹関係者向けに独占禁止法の重要な論点を解説したものであり(商事法務連載),冒頭に事例を設けて,詳細な解説と解答が示されています。
・[41]は,実務上極めて重要な優越的地位の濫用及び下請法に関する詳細な研究的実務書です。
 [33]酒井紀子『独占禁止法の審判手続と主張立証』(民事法研究会・2007年)
 [34]上杉秋則『カルテル規制の理論と実務』(商事法務・2009年)
 [35]上杉秋則・伊藤多嘉彦・山田香織『独禁法によるM&A規制の理論と実務』(商事法務・2010年)
 [36]上杉秋則『独禁法国際実務ガイドブック―グローバル経済下の基礎知識』(商事法務・2012年)
 [37]上杉秋則『独禁法による独占行為規制の理論と実務』(商事法務・2013年)
 [38]神垣清水『競争政策概論』(立花書房・2012年)
 [39]田辺治・深町正徳編著『企業結合ガイドライン』(商事法務・2014年)
 [40]山崎恒・幕田英雄『論点解説 実務独占禁止法』(商事法務・2017年)
 [41]長澤哲也『優越的地位濫用規制と下請法の解説と分析〔第3版〕』(商事法務・2018年)
  [42]佐久間正哉『流通・取引慣行ガイドライン』(商事法務・2018年))

【ケースブック・演習書等】
○[18]の姉妹編として,判例,審決,警告,事前相談等の重要な事例を取り上げたケースブックが発行されており,自習用に利用できます。
 [43]金井貴嗣・川濵昇・泉水文雄編『ケースブック独占禁止法〔第4版〕』(弘文堂・2019年)
○[44]は,「法学教室」の連載に加筆して編集された『独禁法事例の勘所〔第2版〕』(有斐閣・2010年)のコンセプトを引き継ぎつつ,白石『独占禁止法』要件論に基づき,個別事件を丹念に(古い事件も現代的観点から)分析した一種の事典です。事案の概要を一通り学習してから,深く考えるための副読本として有用です。
[44]白石忠志『独禁法事例集』(有斐閣・2017年)
○これまで資格試験の科目ではなかった経済法(独占禁止法)の演習書が漸く出てきました。
・[45]は,内容的には学部レベルから法科大学院基礎レベルまで混在しています。
・[46]は,実務家が執筆に加わった事例分析による演習書であり,様々な学習上の工夫がみられます。
・[47]は,重要論点を自ら考えるための事例(司法試験問題を含む。)による演習書です。
[45]土田和博・岡田外司博編『演習ノート経済法[第2版]』(法学書院・2014年)
[46]大久保直樹・伊永大輔・滝澤紗矢子編著『ケーススタディ経済法』(有斐閣・2015年)
[47]川濵昇・武田邦宣・和久井理子編著『論点解析 経済法〔第2版〕』(商事法務・2016年)
○[48]は,公正取引委員会勤務経験を有する実務家による実務家向けの解説書(Business Law Journal連載を単行本化したもの)ですが,事例演習的な記述になっており,高度な演習書としての利用が可能です(ただし,水平的制限行為や企業結合は含まれていません)。
 [48]白石忠志監修・池田毅・籔内俊輔・内田清人編著『ビジネスを促進する 独禁法の道標』(レクシスネクシス・ジャパン・2015年)
○司法試験「経済法」の過去問の解説・解答例は,別冊法学セミナー「司法試験の問題と解説」各年 版等のほか,平成27年までの10回分を一人で分析・解説した次が出ています。
 [49]村上政博『独占禁止法における事例分析―司法試験経済法過去問の検討と評価』(中央経済社・2016年)
○予備校本も,一応,挙げておきます。
 [50]伊藤塾『経済法(伊藤真実務法律基礎講座6)』(弘文堂・2013年)
 [51]辰巳法律研究所『司法試験論文対策 これ一冊で経済法』(辰巳法律研究所・2015年)
【法と経済学による事例分析】
○経済学をツールにして違反事件を分析した[52]~[54]は,違反行為の経済的意味合いを考える上で有用です。
[52]岡田羊祐・林秀弥編『独占禁止法の経済学―審判決の事例分析』(東京大学出版会・2009年)
[53]岡田羊祐・川濵昇・林秀弥編『独禁法審判決の法と経済学 事例で読み解く日本の競争政策』(東京大学出版会・2017年)
 [54]小田切宏之『競争政策論 独占禁止法事例とともに学ぶ産業組織論[第2版]』(日本評論社・2017年)

【コンメンタール・講座】
○特定のテーマや独占禁止法の逐条解説を詳しく調べるには,次が便利です(ただし,[55]~[57]は古くなりました。)。
・[58]は,日本経済法学会創立50周年を記念して編集された,各分野の中堅研究者が標準的な立場から特定の課題について詳述した論文集であり,文献の引用も豊富で,深く学ぶには必読です。
・[59]は,研究者が執筆している詳細な注釈書ですが,平成21年改正については補遺として解説されています。
・[60]は,平成25年改正法を逸早く解説した論点中心のコンメンタールであり(平成25年改正が施行前に出版されており,旧法の解説も含んでいる。),多数の実務家が執筆しています。
・[61]は,村上政博教授が実体規定の多くを執筆し,それ以外の部分を4大法律事務所の実務家が執筆している平成25年改正を受けた逐条解説であり,前注も詳しく,実務に有用です。
 [55]経済法学会編『独占禁止法講座 Ⅰ~Ⅶ巻』(商事法務研究会・1974~1989年)
 [56]『現代経済法講座 全10巻』(三省堂・1990~1993年)
 [57]厚谷襄児ほか編『条解独占禁止法』(弘文堂・1997年)
 [58]日本経済法学会編『経済法講座(全3巻)』(三省堂・2002年)
 [59]根岸哲編『注釈独占禁止法』(有斐閣・2009年)
 [60]白石忠志・多田敏明編著『論点体系 独占禁止法』(第一法規・2014年)
 [61]村上政博編集代表『条解独占禁止法』(弘文堂・2014年)

【学会年報】
○年1回秋の学会開催時期に先立って刊行される次の年報は,
研究者には必読です。各年の特集(学会でのシンポジウム
のテーマ)は右のとおりです。
[62]日本経済法学会編『日本経済法学会年報』(有斐閣・各年)


【研究書】
○最近出版された研究書をいくつか挙げておきます。
 [63]厚谷襄児先生古稀記念『競争法の現代的諸相(上)(下)』(信山社・2005年)
 [64]土田和博・須網隆夫編著『政府規制と経済法―規制改革時代の独禁法と事業法』(日本評論社・2006年)
 [65]稗貫俊文『市場・知的財産・競争法』(有斐閣・2007年)
 [66]根岸哲・川濵昇・泉水文雄編『ネットワーク市場における技術と競争のインターフェイス』(有斐閣・2007年)
 [67]川濵昇・泉水文雄ほか『企業結合ガイドラインの解説と分析』(商事法務・2008年)
  [68]滝澤紗矢子『競争機会の確保をめぐる法構造』(有斐閣・2009年)
 [69]舟田正之『不公正な取引方法』(有斐閣・2009年)
 [70]和久井理子『技術標準をめぐる法システム―企業間協力と競争,独禁法と特許法の交錯』(商事法務・2010年)
 [71]林秀弥『企業結合規制―独占禁止法による競争評価の理論』(商事法務・2011年)
 [72]土田和博・岡田外司博編『独占禁止法の国際的執行:グローバル時代の域外適用のあり方』(日本評論社・2012年)
 [73]越知保見『独禁法事件・経済犯罪の立証と手続的保障』(成文堂・2013年)
 [74]村上政博『独占禁止法の新展開』(判例タイムズ社・2011年)
[75]村上政博『国際標準の競争法へ―独占禁止法の最前線』(弘文堂・2013年)
 [76]石川正先生古稀記念『経済社会と法の役割』(商事法務・2013年)
 [77]根岸哲先生古稀祝賀『競争法の理論と課題―独占禁止法・知的財産法の最前線』(有斐閣・2013年)
 [78]舟田正之編『電力改革と独占禁止法・競争政策』(有斐閣・2014年)
 [79]平林英勝『独占禁止法の歴史(上)(下)』(信山社・2012年/2016年)
 [80]滝川敏明『実務 知的財産権と独禁法・海外競争法』(法律文化社・2017年)
 [81]舟田正之先生古稀記念『経済法の現代的課題』(有斐閣・2017年)
 [82]舟田正之・土田和博編著『独占禁止法とフェアコノミー―公正な経済を支える経済法秩序のあり方』(日本評論社・2017年)
[83]岸井大太郎『公的規制と独占禁止法――公益事業の経済法研究』(商事法務・2017年)
[84]早川雄一郎『競争者排除型行為規制の目的と構造』(商事法務・2018年)
[85]長尾愛女『フランス競争法における濫用規制 その構造と展開』(日本評論社・2018年)
[86]上杉秋則・山田香織編著『独禁法のフロンティア―我が国が抱える実務上の課題』(商事法務・2019年)
[87]村上政博『独占禁止法の新たな地平―国際標準の競争法制へ』(弘文堂・2019年)
[88]岩本諭『競争法における「脆弱な消費者」の法理』(成文堂・2019年)
【外国競争法】
○外国競争法(特に米国反トラスト法,EU競争法)は,日本法の解釈運用や改正に当たっても頻繁に参照されます。ただし,競争法分野では,新しい事案・判決が日々出ており,最新事情を知るには一次資料に当たるほかありません。なお,公正取引委員会のサイトに各国競争当局等のサイトへのリンクがあります。
○ [89]は,日米欧を比較しており,また,[90]は,絶版になっていた名著の改訂版であり,日本法の記述も追加されました。
 [89]滝川敏明『日米EUの独禁法と競争政策〔第4版〕』(青林書院・2010年)
 [90]松下満雄・渡邉泰秀編『アメリカ独占禁止法[第2版]』(東京大学出版会・2012年)
 [91]村上政博『EC競争法[EC独占禁止法][第2版]』(弘文堂・2001年)
○欧米競争法に関する実務家による解説が相次いで出版されました。[96]は,若手実務家による米国・EUの事例研究です。
 [92]井上朗『EU競争法の手続と実務』(民事法研究会・2009年)
 [93]渡邊肇『米国反トラスト法執行の実務と対策』(商事法務・2009年)
 [94]経営法友会・法務ガイドブック等作成委員会編『欧米競争法ガイドブック』(商事法務・2009年)
 [95]宮川裕光『米国・EU・中国 競争法比較ガイドブック』(中央経済社・2010年)
 [96]白石忠志・中野雄介編『判例 米国・EU競争法』(商事法務・2011年)
  [97]笠原宏『EU競争法』(信山社・2016年)
 [98]植村幸也『米国反トラスト法実務講座』(公正取引協会・2017年)
○11年前に施行されたばかりの中国独占禁止法は,当初,企業結合規制を中心に世界中の関心を集めていましたが,近年はカルテルや支配的地位の濫用でも海外企業の積極的な規制を始めており,米国,EUに次ぐ第三の競争法としての地位を固めつつあります。
 [99]中川裕茂編著『法務の疑問に答える中国独禁法Q&A』(レクシスネクシス・ジャパン・2011年)
○主要国・地域の競争法文献は基本的に英語です。手頃な英語文献を2つ挙げておきます。[100]の著者は,最近まで米国第7巡回区控訴裁判所判事でしたが,長年,シカゴ・ロースクールの講師を務める「法の経済分析(Economic Analysis of Laws)」の第一人者です。
 [100] Richard Posner, Antitrust Law, 2nd Ed., University of Chicago Press, 2001.
 [101] Herbert Hovenkamp, The Antitrust Enterprise, Harvard University Press, 2005(その邦訳として,荒井弘毅・大久保直樹・中川晶比兒・馬場文訳『米国競争政策の展望-実務上の問題点と改革の手引き-』(商事法務・2010年)
・なお,英語で日本の独占禁止法を説明する際には,公正取引委員会HPのEnglishページを参照するほか,次が最新です(Amazonで入手できます)。
[102] Masako Wakui, Antimonopoly Law—Competition Law and Policy in Japan, independently published, 2018

【競争政策】
○競争政策の在り方や制度設計を巡る経済学者と法律学者による研究として,少し古くなりましたが,[103]が必読です。政府と企業との相互関係を様々な視点から幅広く論じたものとして,これも少し古くなりましたが,[104]が重要です。
 [103]後藤晃・鈴村興太郎編『日本の競争政策』(東京大学出版会・1999年)
 [104]『岩波講座 現代の法 8 政府と企業』(岩波書店・1997年)
○公正取引委員会委員を退任された後藤晃教授が独占禁止法を経済学者の視点から分かりやすく解説した[105]は,独占禁止法の経済学的基礎を理解する上で最適です。同じ著者による[106]は,イノベーションに焦点を合わせた続編です。
 [105]後藤晃『独占禁止法と日本経済』(NTT出版・2013年)
 [106]後藤晃『イノベーション―活性化のための方策』(東洋経済・2016年)
○イノベーションに関わる競争法問題を理論面・実務面から詳細に解説する[107]は,我が国におけるこの分野の先駆者であり,公正取引委員会委員を務めた著者の最新書です。
 [107]小田切宏之『イノベーション時代の競争政策―研究・特許・プラットフォームの法と経済』(有斐閣・2016年)
[108] 岡田羊祐『イノベーションと技術変化の経済学』(日本評論社・2019年)
【行政法・行政学】
○行政法学の最新理論から独占禁止法の執行を考える上で,[109]が有益です。また,競争政策が推進される(あるいは,制約される)行政過程を理解するには,日本型行政システムの特徴を描いた[110]が,古くなりましたが,現在でも有益です。
 [109]大橋洋一『行政法1-現代行政過程論[第4版]』(有斐閣・2019年)
 [110]新藤宗幸『講義 現代日本の行政』(東京大学出版会・2001年)
○「法の実現」という視角から法の在り方を探る[111]には,独占禁止法のエンフォースメントを考える上での重要な示唆が含まれています。
 [111]『岩波講座 現代法の動態 2 法の実現手法』(岩波書店・2014年)

【ミクロ経済学・産業組織論】
○競争法や規制法の基礎となるミクロ経済学については,次のものが有用です。
 [112]長岡貞男・平尾由紀子『産業組織の経済学 基礎と応用[第2版]』(日本評論社・2013年)
 [113]矢野誠『ミクロ経済学の応用』(岩波書店・2001年)
 [114]八田達夫『ミクロ経済学Ⅰ 市場の失敗と政府の失敗への対策』(東洋経済・2008年)
 [115]小田切宏之『企業経済学[第2版]』(東洋経済・2010年)
[116]井手秀樹・鳥居昭夫・竹中康治『入門・産業組織』(有斐閣・2010年)
○企業の競争行動を巡る経済分析として,次のものが役立ちます。特に[117],[118]は平易ですし,[119],[120]は初学者向けです。[123]は,経営コンサルタントと産業組織論・ゲーム理論研究者の合作です。[124]から[126]は企業行動経済学に関する最新の概説書です。
 [117]伊藤元重『ビジネス・エコノミクス』(日本経済新聞社・2004年)
 [118]伊藤元重『伊藤元重のマーケティング・エコノミクス』(日本経済新聞社・2006年)
 [119]浅羽茂『経営戦略の経済学』(日本評論社・2004年)
 [120]]浅羽茂『企業の経済学』(日経文庫・2008年)
 [121]柳川隆・町野和夫・吉野一郎「ミクロ経済学・入門―ビジネスと政策を読みとく[新版]」(有斐閣アルマ・2015年)
 [122]泉田成美・柳川隆『プラクティカル産業組織論』(有斐閣・2008年)
[123]御立尚資・柳川範之『ビジネスゲームセオリー経営戦略をゲーム理論で考える』(日本評論社・2014年)
[124]丸山雅祥『経営の経済学〔第3版〕』(有斐閣・2017年)
[125]花薗誠『産業組織とビジネスの経済学 企業の行動原理を経済学で考える』(有斐閣・2018年)
[126]大林厚臣『ビジネス経済学』(ダイヤモンド社・2019年)
○[127]は,経済学者と法学者の共同作業により,企業が用いる競争戦略を通して産業組織論・競争政策の内容を解説するテキストです。また,法社会学者による[128]は,意思決定と法に関わる様々なトピックスを取り上げた好著です。
 [127]柳川隆・川濵昇編『競争の戦略と政策』(有斐閣ブックス・2006年)
 [128]飯田高『法と社会科学をつなぐ』(有斐閣・2016年)

2 情報検索
【公正取引委員会の資料等】
○独占禁止法の条文だけを読んでも実際の規制内容は分かりません。公正取引委員会が公表している各種のガイドラインの理解が不可欠です。後記の公正取引委員会のウェブサイトで参照してください。執務用に編集された法令集(ガイドラインも収録されている。)が市販されています。
 ・公正取引委員会事務総局編『独占禁止法関係法令集(平成27年版)』(公正取引協会・2015年)
 ・公正取引委員会事務総局編『独占禁止法関係法令集(令和元年版コンパクト版)』(公正取引協会・2019年)
○公正取引委員会の活動を中心とした競争政策50年の歩みの記録として,次が出版されています。
 ・公正取引委員会事務総局編『独占禁止政策五十年史』(公正取引協会・1997年)
○公正取引委員会のウェブサイトは,次のとおりです。各種のガイドラインや公表資料,外国の競争法の概要(外国競争当局等へのリンクを含む。),審決や関係する判決のデータベースが載っています。特に,公正取引委員会が公表する最新情報や資料を収集する上では不可欠です。
 http://www.jftc.go.jp/
○公正取引委員会の審決・排除措置命令やその活動状況は,次に収録・公表されています。なお,『審決集』には,関連する民事・刑事の判決等も(網羅的ではありませんが)収録されています。
 ・『公正取引委員会審決集』(各年度)
 ・『公正取引委員会年次報告』(各年度)
○審決・排除措置命令や関係判決は,公正取引委員会のウェブサイトの「審決等データベース」で検索できます。LEX/DBの「公正取引委員会審決検索」も便利です。
○公正取引委員会のウェブサイトにある次の資料は,法的措置が採られることが極めて少ない行為類型に関する実務を知る上では不可欠の素材です。公正取引委員会の相談事例は,「経済法」の試験問題の恰好の素材となっています。
 ・「相談事例集」
 ・「企業結合公表事例」
○「公正取引」(月刊,公正取引協会)には,独占禁止法・競争政策に関する専門誌として,公正取引委員会の活動の紹介や関係の論文が掲載されています。特に,違反事件の審決や排除措置命令の担当官による解説は,実務上も研究上も重要な意味を持っています。
○ジュリストが月刊になってからも,独占禁止法関係の特集がしばしばあります(2012年6月号「優越的地位の濫用」,2013年3月号「企業結合規制」,2014年1月号「国際カルテル規制の最前線」,2014年5月号「独占禁止法改正と今後の展望」,2015年4月号「独占禁止法審査手続の論点」,2015年11月号「独禁ガイドラインの最新動向」,2017年7月号「プラットフォームと競争法」,2017年9月号「課徴金制度改革のゆくえ」,2018年9月号「人材獲得競争と法」)。また,毎号「独禁法事例速報」や「経済法判例研究」が掲載されています。
○ジュリスト以外の法律雑誌における最近の独占禁止法特集として,次のものがあります。
 ・「経済法の基礎」法学教室377号(2012年2月)
 ・「特集1 独禁法の最前線」自由と正義66巻12号(2015年12月)
 ・「特集 独占禁止法の現代的課題」法律時報89巻1号(2017年1月)
 ・「特集 事例からつかむ経済法の基礎」法学教室437号(2017年2月)
 ・「小特集 デジタルプラットフォームと独占禁止法」法律時報91巻3号(2019年3月)
○NBL等にも独占禁止法関係の論文や評釈が掲載されることがありますし,「Business Law Journal」や「ビジネス法務」にも,実務的な解説が頻繁に掲載されています。主な連載記事として,次のものがあります。
 ・「企業法務 独禁法事例コレクション」ジュリスト1462号(2014年1月号)~1474号(同年12月号)連載
・「平成25年改正でこう変わる! 独禁法実務の新ポイント」ビジネス法務2014年7月号~12月号連載
・「トラブルを解決する 独禁法の道標2」Business Law Journal 2015年12月号~2017年2月号連載
・「コンプラが充実する 独禁法の道標3」Business Law Journal 2017年3月号~2018年5月号連載
・「掛け算で理解する 独禁法の道標4」Business Law Journal 2018年6月号から連載中)

 

 

ページトップへ戻る