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  • 2013/01/01
  • コラム
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平成25年 年頭所感

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あけましておめでとうございます。

下請法の問題の最近の規制の状況について。
 下請法というのは、独禁法の中では昭和28年の改正で入った優越的地位の濫用行為の規制に属するものです。ご承知のとおり、優越的地位の濫用行為については、独禁法の学者の中では意見が分かれていて、積極説というのは正田先生に代表されるものです。正田先生の独禁法の理解というのは、経済的弱者を救済するのが独禁法だ、という見地から優越した地位の濫用についてはほぼ全面的に支持する考えです。それに対して批判的なのは今村成和先生です。独禁法というのは本来競争制限行為を規制するから、競争制限行為との関係上、優越的地位の濫用についてはあいまいである、というので、規制そのものに反対されているわけではないのです。今までもこの2つの考え方というのは共存していて、公取ではやや中間説のような形をとって、競争の制限に直接関係はない、と。中小企業の営業の自由の問題だ、というような形で、やや中間的な見解でやってきています。
独禁法上はそのような問題があるのですが、現実の問題でいいますと、下請法は非常に重要な機能を果たしていると思います。この前の3.11東北の震災の後、世界が注目したのは、1つは、日本の経済はこれで大丈夫なのか、と。その当時聞かされた意見では、アメリカでは6~7割は「日本の経済はこれでだめになる」、あとの2~3割が「日本は明治維新のとき、それから戦後の発展を考えると、また回復するのではないか」というのがあって、世界でも震災後の日本の経済についてはかなり悲観的な見方が多かったわけです。震災の後、出てきたことで非常に重要なのは、日本では自動車や家電等の部品産業が非常に発達している。いわば下請産業が非常に発達していて、今や日本の企業だけではなくて世界の有力な企業の下請企業になって、その基盤を支えている、ということです。そのような面では、下請企業が健全に発展してきているので、これに下請法は大きな影響を与えていると思います。今ここに集まっている方はほとんど大企業の方ですが、大企業が日本の経済をリードしているといいますか、その元になっていますが、企業数でいいますと、98%の企業が中小企業です。大企業は2%ぐらいです。ですから、大企業と中小企業が共存しているわけですけれども、それは競争している立場もあるけれども、ほとんどが直接・間接に下請関係といいますか、大企業の製品をつくる過程において、あるいは販売する過程において、中小企業と協力しているわけです。やはり大企業は経済力が強いですから、無制限にそれを効率的に発揮されたら、中小企業は非常に不安です。
この点が、独禁法上の位置づけというのは非常に難しいから、下請法に関する限り、みていきますと。それ自体、日本の経済に対して影響を与える。大企業が下請法の適用を受けて非常に困る面が多いと思いますが、長い目でみますと、大企業の基盤を強化しているといわなければならないです。
(以上、月例研究会にて会長挨拶より一部抜粋)

 

 

 

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