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  • 2012/01/05
  • コラム
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平成24年 年頭所感

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 皆様、あけましておめでとうございます。

 現在、独禁法を持っている国は、世界で約100ヵ国以上あり、ICN(International Competition Network)が、毎年大会を開催しています。2~3年前には、日本(京都)でも開催されました。
 独禁法が最も整備されているのが、アメリカとEUであり、ヨーロッパは戦後、独禁法が発達したのはドイツです。戦前は、ドイツはカルテルの母国と言われており、これは一面的な見方であって、専門家の間では、ナチスはカルテルの友、自由主義者はカルテルの敵と言われています。リベラリストが中心となった新自由主義の中で独禁法は制定されました。そういうこともあって、独禁法についてはドイツが熱心で、EUの競争当局の担当者は、ドイツ人が多いのです。
 ヨーロッパの独禁法は、各国ありますが、やはりEUの独禁法が一番整備されています。アメリカは、シャーマン法で、競争制限協定・独占行為・モノクライゼーションの禁止で、判例で決まってきます。EUも共通のところがあり、条約の101条が競争制限協定を規制していて、102条が市場支配的事業者の独占行為を規制しています。EUは判例法で、市場経済の変化に応じて、裁判所が具体的な事例をもとに判断するというルールです。1980年頃を境に実体的な事項に則したやり方に変わってきています。判例法は、現実に即して柔軟にやっています。その点は、アメリカもEUも共通しているところです。EUの公用語は英語なので、アメリカの判例がそのまま使われています。EUの企業同士だけでなく、アメリカの企業の争いもEUで扱うこともあり、情報が密接に交換されていますので、EUの独禁法は尊重した方がいいと思います。本当に参考になる独禁法は、アメリカとEUです。それに比べると日本の独禁法は非常に落ちます。実際、日本の公取委が取り上げる事件の90%超が同業者からの申告です。現在は、市場の利害関係が複雑なので、執行力強化ばかりでなく、市場の実態を見て、公正にかつ客観的に判断してルールを作ることが大切です。私は、アメリカの司法局のホームページを参考にしています。
 そういうことで、独禁法を勉強するときには、何が重要かをよく見ないといけないと思います。

 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

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