研究講座とイベント

  • 2011/09/09
  • コラム
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第189回 月例研究会にて

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今日の日経新聞に、EUの裁判所が充電器の判決について、「日本の企業の行政制裁金を無効とした」という記事が掲載されていました。EUの裁判所は、最近、行政制裁金を減額していて、行政措置に対しかなりブレーキをかけています。今回の判決は、充電器のカルテルについて、カルテルがなかったというのではなくて、行政制裁金の基準が、日本の古い統計に基づいているため、ヨーロッパの企業と日本の企業とが差別されることになり、差別されたことを理由として制裁金は無効になりました。EUの裁判所は、手続問題について厳格で、手続違反を理由に制裁金が無効とされています。
それとはまた別に、産業界ではEU委員会の行政処分の前の事前手続が不十分だということで前から強い不満が出ていて、EU委員会がそれを検討しています。EUの場合、アメリカのFTCの事前手続がモデルとされ、それに比べて手続が公正でないという不満を産業界が持っています。
 それから、今日の一つの情報ですけれども、アメリカではオバマ大統領が行政機関一般の手続について見直す命令を出したということが報じられていました。行政機関の手続問題というのは、現在重要になってきています。
 アメリカでも裁判所では、例えば3年前のランバス事件判決などでは、立証について非常に厳格です。市場に対する悪影響があったかどうかについての立証ができないということで、ランバス判決ではFTCがした違反事実の認定が証拠不十分ということで、取り消しました。違反事実の立証が非常に難しくなっています。
 日本でも、あまり新聞には出ていませんが、6月に岩手県の談合の問題について、東京高裁が証拠不十分ということで、公正取引委員会の命令を取り消しています。こういう問題がだんだん出てきている時に、公正取引委員会から審判を廃止するという改正案が出ていますが、この改正案は審判手続の廃止を内容とし、手続問題については慎重にやるということの反対の法案で、世界の流れに逆行していると思います。
 

 

 

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