研究講座とイベント

  • 2011/04/28
  • コラム
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最近の月例研究会での会長挨拶より

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 EUの独禁法について述べさせていただきます。
 今の独禁法では、アメリカとEUが圧倒的に強いです。世界で100ヵ国以上が、独禁法を持っていますが、整備されているのがアメリカとEUのみです。EUというとヨーロッパという感じなのですが、この10~20年くらい、EUで取り上げられる事件は、アメリカの企業同士の問題が非常に多いです。例えば、インテルやマイクロソフトなどです。

 今、経済はグローバル化していますから、アメリカや日本の企業でもEUで販売しているとEUの独禁法の適用になります。もう一つ重要なのが、EUの公用語は何ヵ国語もあって、翻訳の費用がべらぼうに高いのです。予算の中の相当分が翻訳の費用になっています。その中で記録は他の公用語に訳されますが、実際は英語でやる場合が多いです。1コミッションでも、裁判所でも英語が使われることが多いです。弁護士も外国弁護士はEUでやります。結局、アメリカの判例が使われることが多いです。アメリカの企業同士が、司法省で取り上げてもらえなければ、EUに持ち込んでやるわけです。マイクロソフトの件もそうです。競争者が司法省でうまくいかずにEUのコミッションに持って行って、EUの管轄であるので、取り上げてもらって裁判になりました。アメリカは100年以上に渡っての判例がたくさんあるので、アメリカの判例が使われるのですが、EUの判例が使われる時も、論理などは違っていますが、だんだん調整されて似てきます。EUの独禁法がヨーロッパの独禁法だと思ったら間違いで、アメリカの独禁法と非常に密接になっています。お互いに刺激し合っていて、アメリカの独禁法も成り立っています。

 ですから、独禁法は、圧倒的にこの二つの独禁法が優れていて、アメリカとEU以外は非常に遅れています。日本の独禁法は実体法も手続きももっと調整しないといけないと思います。そうしないと日本の独禁法の将来はないですね。

 

 

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